気の不足・滞り

気には体を邪気から守ったり、代謝させたり、
温めたり、血液等が漏れ出ないようにしたり、
動きを推進する働きがあります。

そのため、気が足りない状態(気虚)になると、
これらの作用が正常に働かなくなります。

どういったことで気虚が起こるかというと、
栄養不足であるとか、
胃・脾の調子が悪くて食べ物を
うまく消化・吸収できないとか、
過労や出産、長引く下痢等があります。

こうなってくると、体がだるくなったり、
常時疲れてぐったりしたり、
体に力が入らなくなってしまいます。

また、脈拍も弱々しくなることや、
声に力が入らずボソボソ話すようになります。

気虚によって汗が漏れだすのを抑える固摂作用が弱まると、
暑くもないのに汗をかく自汗という現象も起きます。

同じく固摂作用の異常として、
睡眠中によだれが垂れることもあります。

気には内臓を押し上げる働きがあるため、
気虚になると臓器や津液が落ちてきます。

これは気陥と呼ばれ、
腹部に張りを感じたり、頻尿、下痢、脱肛などの
症状が現れやすくなります。

他にもうまく気が流れない状態を気滞と呼び、
張り詰めたような痛みを感じやすくなります。

この状態を緩和するために、
げっぷやおならが増えたりもします。

本来は全身を循環するのが気の性質ですが、
うまく下に降りなくなった状態が気逆です。

この気逆が起きやすいのは、肝、肺、胃です。

肝で気逆が起きるとストレスを感じやすくなることや
頭痛、めまいなどが起こり、
肺ではぜんそくや咳、
胃では吐き気や悪心、げっぷの原因となります。