黄疸の原因を患者目線で解説

皮膚や目が黄色くなる黄疸の原因は、主に4つに分かれます。

ここでは医学的な専門的知識というよりも、
一般の方にわかりやすくすることを優先で説明します。

医療関係者でもない限り難解な単語を羅列して
読むのに疲れ果てるよりも、
内容を多少簡略化しても頭に入りやすい方が
役に立つと思いますので。

ということで、原因別に見た黄疸の種類ですが、
溶血が元になっている場合、
肝細胞が問題を起こしている場合、
胆汁の流れに難がある場合、
体質によるものの4つに分類されます。

それぞれ、溶血性、肝細胞性、閉塞性、体質性黄疸と呼ばれます。

最後の体質性の場合には治療を行いません。

これは原因が遺伝によるものであることが分かっています。

血液中に含まれているビリルビンという物質の量が増えると、
黄疸の原因になります。

たとえば、肝細胞性の場合には、
肝臓の壊死等によって本来の機能を果たせなくなり、
それが理由になります。

具体的には、肝硬変、肝臓がん、急性・慢性の肝炎、
急性脂肪肝、感染性肝障害等が起こり、
それによって機能不全に陥るのです。

肝臓がんの症状として黄疸が起こる場合がありますが、
この場合には手遅れに近い、
言い換えれば末期の状態であることが一般的です。

何しろ、肝臓は沈黙の臓器と呼ばれるほど忍耐強く、
多少無理をしたぐらいでは音を上げません。

これは日常の暮らしの中では大きな利点です。

頻繁にキリキリと胃が痛む方であれば、
「こんなにしょっちゅう症状が出なければ楽なのに」
とか
「いっそのこと不良品みたいな胃を取り替えてしまいたい」
と思うこともあるでしょう。

肝臓の場合、この点は助かります。

多少の病気ぐらいでは痛みや苦しみどころか、
違和感も出ないことが多いぐらいですので。

ただし、裏を返せば症状を自覚する頃には、
すでに悪化しているということです。

治療をするにも、簡単に根治が望めないことも多く、
特に肝臓がんの生存率は低いのが現実です。

現代医療や東洋医学を持ってしても、
克服が難しい難治性の病気として知られています。

他にも閉塞性黄疸の原因、
つまり胆汁がスムーズに流れていない場合だと、
胆管を結石や腫瘍がふさいでいることがあります。

すい臓がんや胆管がん、癌のリンパ節転移等によって
本来の流れの経路になるべき胆管がふさがり、
あるいは通り道が狭くなってしまうわけです。

ちなみに、すい臓がんは肝臓がん以上に死亡率が高く、
癌の中でも特に危険と分類されるものの1つです。

顔色が悪いぐらいだとあなどらずに

黄疸は最初に自覚症状がなく、
家族や友人から指摘されたのが原因で気づく場合があります。

自分では鏡を通してしか見ることができない上、
大抵の人は1日に数回は自分の姿を見るため、
微妙な変化には気付きません。

少しづつ変わっていくわけなので、
かえって認識しづらいのです。

周りの人から「顔色がおかしい」と言われたら、
気にしてみた方がいいかもしれません。

ただの気のせいかもしれませんし、
黄疸や他の問題が隠れている可能性もあります。

あるいは別件で医者や看護師と顔を合わせることがあり、
その時に黄疸を指摘されることもあります。

子供を小児科に連れて行ったら、
母親の目や顔色を見た医師が診断を勧めるような場合です。

この場合は専門家の見立てなので信頼性が高く、
半信半疑でも病院に足を運ぶ人は多いでしょう。

ただ、偶然に身を任せるのもリスクが高いので、
素人判断でおかしいかもしれないと感じたら、
とりあえず診ておいてもらうというぐらいでいいと思います。

特に健康診断や人間ドックを定期的に受けていないと、
何か変調があっても発見の機会がありません。

それが原因で治療の機会を喪失するのは
長い目で見ると残念すぎることです。

治療開始のタイミングによって、
助かるかどうかが変わってきたり、
余命の長さや生活の質が左右されることがあるためです。

たしかに黄疸そのものが及ぼす直接的な害は
決して大きなものではありません。

ただし、その裏にはすい臓がんや肝臓がんを含め、
命に関わる病気が潜んでいることもあります。

気になる症状がある場合には、
早めに病院を受診しておきましょう。