背中の右側の痛みの原因となる病気にはこんなものが!

背中の右側の痛みの原因といえば、
肝臓の病気を連想する人が多いようです。

たしかに位置的にも該当する臓器です。

実際には、他にも胆のう、肺、骨や筋肉に問題が起こっていて、
それが痛みとして表れていることもあります。

まずは肝臓に問題があって、
背中の右側に痛みが起こっている場合ですが、
その前に頭に入れておいてほしいことがあります。

肝臓はちょっとしたことで悲鳴を上げることはなく、
基本的に寡黙に耐える性質を持っています。

多少調子が悪かったとしても、
どうにかやりくりして自覚症状を出さないのです。

体内でも大きな臓器なので、
一部の昨日に問題が生じても、
全体としてやりくりできるということもあります。

日常生活の中では肝臓のこの性質は便利なのですが、
困るのは病気の発覚が遅れることです。

何しろ、背中の右側に痛みを感じるとか、
重苦しい感じや違和感を覚えるというのは
かなり進行した状態であることが多いため、
早期治療のチャンスを逃すことになりがちです。

特に肝臓がんのように命にかかわる病気の場合、
この弊害が顕著です。

黄疸や痛みを認識できるぐらいになると、
すでに末期になっていることが大半になってしまいますので。

癌の他にも、肝炎や肝硬変といった病気が原因で、
背中に痛みを感じることもあります。

お腹のみぞおちのあたりにも痛みを感じるとか、
吐き気や実際に食べ物を戻してしまう、黄疸が見られるといった
症状を併発することもあります。

肝硬変はウイルス性、アルコール性、自己免疫性、
胆汁うっ滞性、薬剤性、うっ血性等に分けられます。

一般に、肝臓といえばアルコールを分解する役割が知られ、
飲み過ぎると負担をかけるイメージがあります。

これは事実なのですが、
飲酒の習慣がなければ安全というわけではありません。

アルコールはあくまで原因の1つにすぎないためです。

そのため、お酒を全く飲まない人でも、
肝臓の病気になることはあります。

胆石が背中の右側に痛みをもたらす原因になっていることもあります。

本来、脂肪を消化する働きのある胆汁を通る道を
結石がふさいでしまっているのが胆石です。

細かく分けると、胆管結石や胆のう結石、肝内結石といった
場所による区分がなされています。

細かいことをさておけば、
石が悪さをしていると認識してもらえばいいでしょう。

続いて肺ですが、
左右にわかれているので右側だけに痛みがあるなら
他の部位に問題があると感じるかもしれません。

しかし、左右の両方が同じように弱るとは限らず、
たとえば一方だけに癌ができることもあります。

こうした場合には、該当する側だけに症状が出て、
もう一方は特に自覚症状が現れないこともあります。

こうして考えると、
背中の一方に問題が起こる原因として、
肺の病気というのも候補の1つになります。

筋肉や骨が原因になっている場合については、
あまり詳しい説明は要らないでしょう。

筋肉を痛めている場合であれば、
通常は数日程度で自然に症状は消えていくことになります。

極端な話、強度のトレーニングやスポーツをしなくても、
寝違えて背中に痛みを感じることもあります。

筋肉と内臓なら感覚で違いがわかると思うかもしれませんし、
たしかに筋肉痛のようなケースならそうでしょう。

しかし、ある種の筋肉の問題というのは、
内臓が痛いのか、その表面に位置する筋肉なのか
いまいち判別がつかないことがあります。

骨については、骨折やひびが入っているといった外傷の他、
癌の骨転移等もあります。

骨転移というのは、がん細胞が他の場所から流れてきて、
骨に巣食って増殖してしまう現象です。

これは前立腺がんや乳がん等、様々なところから始まります。

そして、同じように背中の右側に痛みを感じる場合でも、
原因となった最初の癌の位置によって治療法が変わります。

たとえば、前立腺がんでは
ホルモン療法が行われることがありますが、
これは肺がんでは通常使われません。

そのため、原発巣(最初に癌が発生した部位)の特定が不可欠です。

このように、背中の右側の痛みの原因については、
様々な病気が候補となります。

放っておいても数日で治るものから
生命の危機に至るものまで幅広いため、
状況に応じた対応・治療が必要となります。

ひとまず、肝臓ばかりが候補ではないということは
記憶の片隅にでも置いてもらえればと思います。