背中の痛みと吐き気の原因となる病気

吐き気と背中の痛みの両方が起こっている場合に
原因として考えられる病気を具体的に見ていきましょう。

その前に、少しだけ東洋医学的な視点で考察すると、
血が上手く流れていない場所は痛みを感じやすく、
体温も下がりやすくなります。

体温が1度下がると免疫力が30%下がるというのも、
数字には議論があるものの医療の世界では常識です。

その背景には血が関わっていると、
東洋医学では考えるのです。

それでは、具体的に背中の痛みと吐き気の両方に
関連する病気を見ていきましょう。

肝炎や肝硬変、肝臓がん

いわゆる肝臓の病気が原因の場合です。

大雑把に言えば、肝炎より肝硬変、肝臓がんと
順番に症状が重くなっていくとイメージしてください。

肝臓は沈黙の臓器として知られるほど異変が起きづらく、
問題が起きていても早期に自覚するのは困難です。

ということで、
吐き気をもよおすような状態であるとか、
背中の痛みを自覚できるような状態であるのなら、
かなり悪化している恐れがあります。

なお、背中の中では右側に痛みが出やすい傾向にあります。

この他の症状として、肝臓が原因の場合には
黄疸や発熱、食欲不振、腹痛等が起こりやすくなります。

胃潰瘍・胃炎

もっとも多くの方がイメージするのが、
胃潰瘍や胃炎といった症状ではないでしょうか?

他の病気と比べ、
どことなく日常的な病というか、
ストレスが重なると胃がキリキリする図を連想しませんか?

さすがストレス大国という感じですが、
この場合はみぞおちのあたり、つまり体の前面だけでなく
背中にも痛みを感じることがあります。

消化器を代表する胃のトラブルなので、
当然吐き気や嘔吐を伴うこともあります。

人によっては癖になってしまい、
長期で慢性胃炎をわずらってしまうこともあります。

膵炎・すい臓がん

こちらはすい臓の病気です。

人体に必須のインスリンを分泌している臓器ですが、
いまいち影が薄いというか、
なかなかスポットが当たる機会が少ない場所ですね。

胃腸や肝臓・腎臓と比べるとマイナーな感じがしますが、
とても大事な働きをしています。

すい臓に問題が生じると糖尿病になることもありますし、
すい臓がんは癌の中でも完治のみ込みが小さい傾向にあります。

肝臓の話にも共通しますが、
すい臓がんも悪化するまで背中の痛みや吐き気が出ない事が多く、
自覚症状が出る頃には余命が半年とか、
そういった末期になっていることも多いです。

「ちょっと体調悪い気はしてたけど、
基本的には元気だと思って今まで通り働いてたのに」
とショックを受ける方も少なくありません。

癌の告知自体が衝撃なのに、
余命宣告まで同時に受けることもあるためです。

それも例外的に存在するだけではないのが怖いところです。

吐き気等の他に便秘や下痢、黄疸、
みぞおちからやや上部にかけての腹部痛といった症状もあります。

腸閉塞

食べ物の通り道である腸がつまったり、
狭くなってしまう病気です。

イレウスと呼ばれることもあります。

こちらもお腹が中心ですが、背中に痛みが出ることもあります。

また、吐き気や嘔吐も起こります。

手術の後に腸が癒着してしまうとか、石が詰まるとか、
近くに腫瘍ができて圧迫されるといった原因があります。

腸の病気の場合、
他にも腸捻転が背中の痛みをもたらす原因になります。

こちらは腸がねじれてしまう病気で、
腸閉塞の1つの形とされています。