中耳炎とお風呂・プールを巡る誤解

プールやお風呂が原因で中耳炎になってしまった、
なんていう話を聞きますが、これは誤解です。

たしかに細菌への感染によって起こる病気ですし、
免疫力が弱くなっている時にリスクが高まるのは事実です。

そんな時に耳に水が入ってしまったから・・・。

この部分が誤解なのです。

中耳炎は耳が炎症を起こす病気なので、
そのような捉え方をするのも自然な話でしょう。

しかし、実際のところはどうかといえば、
感染経路は耳ではなく鼻なのです。

つまり、鼻から耳管を通って耳の内部に炎症をもたらすのであって、
直接耳に水が入ったことが原因なわけではありません。

そのため、お風呂やプールで耳に水が入ったとしても、
それが直接的な原因ではないのです。

治すために鼻をかんで通りを良くしておくことが推奨されるのも、
より細菌が入ってこないようにするためです。

お風呂やプールはいつから入っていい?

原因は鼻にあるとしても、
中耳炎の時にお風呂やプールに入れるかどうかという話とは別です。

結論としては、基本的には問題ありません。

ただし、耳の中に水が入ると症状を悪化させる場合もあるので、
必ず医師の話を聞くようにしてください。

いつから大丈夫かというのは、人によります。

痛みや腫れが引いてきたら、すぐに問題なくなる場合もあります。

また、耳に水が入る可能性の大きさの違いから、
お風呂は大丈夫でもプールは避けておくという判断もあります。

特にお風呂は体を清潔に保つために必要ですが、
プールは特に差し迫った必要性があるわけではありません。

その意味でも、リスクを背負ってまで許可するよりも、
しばらくはプールに入らないで様子を見ることもあるわけです。

国によっては先進国でも毎日シャワーを浴びないと言いますが、
日本人の感覚としては厳しいですからね。

湿度が高いという環境も相まって、
さすがに何日も入浴ができないというのはストレスなものです。

病院に入院する患者さんの中にも、
その点に不満を持つ人は少なくありません。

入院中と言っても怪我等が理由の場合、
基本的には元気なのでお風呂ぐらいは入りたくなるのに、
病院によっては週に一回と制限されていたりしますので。

これはさすがにつらいですよね。

中耳炎の場合、治るまでに3ヶ月程度かかることもあります。

それまでずっとお風呂を制限するわけではないので、
治るまでは耳に水が入らないように、
洗髪の際には注意してください。

お子さんが小さいうちには、家族の方で気をつけてあげてください。

最後にアドバイスですが、
中耳炎は自覚症状が治る時期と治癒のタイミングがずれます。

そのため、感覚的には元気になったとしても、
まだまだ悪化するリスクが残っています。

過剰に安静にしたりする必要はありませんが、
お風呂やプールは医師の指示を守るとか、
鼻詰まりの時は鼻をかむとか、
そういった対策は継続的に行ってください。