中耳炎の症状は意外に怖い

子供がよくかかる中耳炎の症状ですが、
ひどい場合には鼓膜を切開しないといけないような場合もあります。

頻繁に耳にする病名であるため、
あまり深刻な気持ちにならない部分はあると思いますが、
油断は大敵です。

悪化させると大変なことになるので気をつけましょう。

では、中耳炎ではどのような症状が出るのでしょうか?

まずは急激な腫れが起こります。

この際に痛みや発熱を伴う場合もありますが、
必ずしも一緒に併発するとは限りません。

むしろ中耳炎であることに気づかない場合もありますし、
子供の場合は自覚があってもうまく伝えられないこともあります。

痛みや発熱は、基本的に3日以内に収まります。

ただし、これで解決したわけではありません。

どういうことかを理解してもらうために、
少し中耳炎の説明をしましょう。

一般的なイメージとしては、
耳の外から雑菌が入ったことが原因と思われがちです。

そのため、お風呂やプールに問題があったのではないかと
心配される方もいます。

しかし、実際の原因は鼻から雑菌が入ったことにあります。

耳の奥に鼓膜があるのはご存知のとおりですが、
その奥に中耳があり、耳管で鼻とつながっています。

そのため、内側から雑菌が入っているのです。

中耳炎が風邪と併発しやすいのはこのためです。

特に子供は耳管が短いこと、平行に近いこともあって
雑菌が耳の側に移って来やすいのが特徴です。

そのため、鼻水が出るたびに繰り返し中耳炎を起こす場合もあります。

子供特有というわけではないので
大人でも無縁な病気ではありませんが、
頻度が下がるのはこのようなわけです。

基本的に10歳を超えるとあまりかからなくなります。

中耳炎の治療としては、
まずは耳にたまった膿を出しきることが必要です。

不思議な話ですが、膿を出すために鼓膜に隙間ができて、
そこから膿が出てきます。

衛生上、耳の外に出てきた分は拭いてください。

逆に中にまで何かするということは基本的に必要ありません。

激しい痛みがある場合には、
痛み止めを使ってそれを止めることになります。

薬を使う以外に、耳の周辺を冷やすことで痛みが和らぐこともあります。

また、腫れがひどい場合には抗生剤を使います。

もっとも、抗生剤を使うのは限られた場合のみで、
そのままにしても自然に治癒していく場合が多いです。

あとは鼻水をすするのは、症状を悪化させる原因になります。

優しく鼻をかませるようにしてください。

強くしてしまうと、これはこれで負担になります。

鼓膜切開に至るような場合もありますが、
頻度としてはレアケースということになります。

決して頻繁に起こるわけではありません。

中耳炎の症状は急激に現れて、徐々に治っていく傾向にあります。

急激に下落して、徐々に上昇する株価とは上下対称ですね。

そんなわけで、最初は高熱を出したり、頭痛を訴えても、
2,3日もすればケロッとしている場合もありますが、
治療自体は3ヶ月程度続く場合もあります。

ここでしっかり治さないと、
出しきれなかった膿が原因で症状をぶり返して反復する場合があります。

中耳炎の種類

このようにして何度も繰り返してしまうのが、反復性中耳炎です。

おたふく風邪のように、一度経験したら抗体ができるとか、
二度とかからないという病気ではないので、
中途半端な状態にしておくとぶり返すリスクがあります。

もちろん完全に治っても、別の機会に同じ状態になることはありますが、
リスクは下げておくべきでしょう。

放置しても自然治癒することもありますが、
医師に見せて指示を仰ぐのが基本です。

また、最初のうちは腫れや痛みがひどかったり、
高熱が出る場合もありますが、
このような最初の時期を急性中耳炎と呼びます。

この時期を過ぎて回復に向かって行くと、
滲出性中耳炎(しんしゅつせいと読みます)と名前が変わります。

出世魚のようなもので、別の病気ではありません。

同じ病気の段階が変わったということです。

子供をお持ちの家庭にとって、中耳炎は身近なものです。

また、風邪等と併発することも多いので、
気づかない間に自然治癒することも少なくありません。

しかし、症状が悪化すると膿が耳の中にたまり、
最初はサラサラしていたものが粘度が高まり(ネバネバして)、
簡単に排出されなくなる場合もあります。

こうなると、一時的に難聴になることもあります。

耳の奥が詰まっている状態ですので、
これは容易に想像がつくかと思います。

耳の聞こえが悪くなるということは、
自分が話している言葉もよく分からないということです。

そうなると、周囲の声を聞き取れないので学習能力が落ち、
子供が自身の発した言葉をうまく認識できないので
発語の練習が難しくなります。

そうなると、言葉を話す能力の遅れにもつながります。

また、状況を的確に説明できない幼児の場合、
何が起こっているのかを周囲が正確に把握するのが困難なこともあります。

夜中に急に泣きだしたと思ったら、
実は中耳炎だったという場合もあるのです。

このあたりは難しいところではありますが、
周囲の大人が普段から子供をよく観察することや、
連携が取れるかかりつけ医を持っておくことが重要になります。