五臓六腑にはそれぞれに木火土金水に対応します。
肝は木、心は火、脾は土、肺は金、腎は水です。
これだけでは、何の意味があるか分かりませんよね。
しかし、木は火に、火は土に、土は金に、
という順番でエネルギーを送るため、
肝は心に、心は脾に、という順番で
エネルギーを送ることが分かります。
それぞれの臓器が弱ることで、
他の臓器が巻き添えをくらうパターンも理解できますし、
心が弱っている時は肝もケアすることで
エネルギーを送れることも分かります。
五臓と六腑の関係だと、
肝と胆、心と小腸、脾と胃、肺と大腸、腎と膀胱が
それぞれペアになっています。
小腸や大腸と心・肺というのは意外ではないでしょうか?
それ以外は納得がいくかと思います。
そして、これら五臓六腑(三焦以外の)には
対応する食べ物があります。
たとえば、鳥肉や麦、ニラ、スモモは
肝と胆によいとされています。
心と小腸の場合には羊の肉とらっきょう、あんず、
脾と胃は牛肉にアワ、ナツメ、
肺と大腸は稲や馬肉、ねぎ、桃、
腎と膀胱は豆や豚肉、栗です。
東洋医学の考え方なので、
少々日常では手に入りづらい穀物等も含まれますが、
一応の参考にはなります。
そのため、肝が弱っているなら鳥肉を増やすとか、
肺が弱っているなら馬肉やネギを取る機会を増やすといった
食生活の改善をすることができます。
通常、食生活を変えるというと、
万人にとって理想の食生活があるかのように言われます。
しかし、肺が弱い人と、脾が弱い人では
おのずと食べるべきものが違います。
そのため、五臓六腑のどれが弱いのか、
的確に把握しておくことが必要です。
体質を把握せずに改善しようというのは、
原因不明の病気にヤマ勘で薬を処方するようなものです。
これでは確実性が低いのは当然のことでしょう。
また、先ほどもお伝えしたとおり、
五臓六腑は五行の木火土金水の考え方にのっとり、
それぞれに相関関係があります。
そのため、弱っている臓器だけではなく、
そこに力を送っている臓器も
ケアするようにしておくと効果的です。
また、食事についてお話したので、
ついでにそれぞれの五臓が変調をきたした時に
欲しやすくなる味もお伝えしておきましょう。
肝の場合はすっぱいものがほしくなります。
心は苦味を、脾は甘みを、肺は辛さを、
腎はしおっけの強いものを求めます。
最近甘いものが無性に欲しくなるという場合には、
脾が弱っている兆しかもしれません。