過呼吸の原因と今日から始められる対策

まずは過呼吸の原因から見てみましょう。

これは肺の病気ではなく、主に精神的な要因、
不安やストレス、緊張、興奮、恐怖等によって生じます。

更に言うと、発作が起きると息が吸えないことで焦り、
さらに胸の痛み等の症状も併発することが多いので不安が増し、
死の恐怖等でますます悪化するという悪循環が生まれます。

男女別に見ると女性に多く見られ、
発症するで見ると女性が男性の倍程度になります。

一度だけではなく繰り返し発作を起こす場合も珍しくありません。

そのため、たびたび学校や職場で過呼吸の症状になり、
周囲が呆れたり演技ではないかという疑いを持って、
それがストレスの原因になってしまう事例もありました。

特に高校時代等の精神的に不安定な時期で、
学校という閉鎖された空間だと
そのようなことが起こることも少なくないようです。

確かに同級生がたびたび騒ぎを起こすというのは、
見ようによっては他人の気を引く行動とも見えますが、
演技ではなく本当の場合には本人の負担は小さくありません。

ストレスの原因の多くが人間関係にあるので、
こうしたことは油断できません。

周囲には軽い出来事に思えても、
息苦しさを抱えている人には一大事だったりします。

過呼吸を起こすというのは、
精神的な問題が呼吸中枢や自律神経に
影響を及ぼしてしまっていることになります。

すでに体がSOSサインを出していると理解していいでしょう。

まずは何が精神的な問題になっているのかを
突き止めることが必要になります。

可能なのであれば、根本から解決できれば理想的です。

しかし、生活や仕事のために、
簡単にすべてを解決というわけにもいきません。

むしろ、簡単にストレスを消せるぐらいなら
過呼吸になる前にどうにかできたことでしょう。

ということで、原因となる出来事はひとまず置いておき、
それ以外の対策を立てることも必要です。

まずは、症状が起きた場合の対処法を理解しておきましょう。

落ち着いて対応できれば、
焦ったり恐怖を感じて悪化させることがなくなります。

一般に言われているのは、
袋を口に当てて息を吸ったり吐いたりすることです。

ただし、これには問題があります。

苦しい原因が過呼吸の場合、
脳が正しく酸素や二酸化炭素の必要性を認識できておらず、
一種の錯乱状態に陥っています。

その状態で紙袋やビニール袋を口に当てると、
袋の中の二酸化炭素濃度が高くなり、
酸欠になってしまうリスクがあります。

理論上、窒息してしまう恐れすら存在します。

たしかに息を吸いすぎているという状態を
緩和するのに袋は有効な方法です。

しかし、しっかりした管理なしで
むやみに使用するのはリスクを伴うことも知っておいてください。

症状がひどくないのなら、
息をゆっくり吐くことを意識してください。

呼吸は内臓の働きの中でも珍しく、
意識的にコントロールすることができます。

吸うことを重視するのではなく、
吐くことに気持ちの重点を移しましょう。

これは武道の世界でも同じことが言われます。

呼吸は体のリズムを作るのに重要ですが、
多くの人は息を吸うところに注意を向けます。

しかし、武道経験者は息を吐くことを優先するのです。

過呼吸の場合にも、
いきなり息を大きく吸おうとして苦しむより、
ゆっくり息を吐いてみてください。

泳ぎが得意なら、プールや海の中をイメージしてもいいでしょう。

人間は水中で肺呼吸ができませんが、
すぐに意識を失ったりはしません。

水の中でもコントロールは利きます。

しかし、パニックを起こすと溺れてしまいます。

それと同じ感覚で対応すると、
過呼吸になった時も冷静になれる場合があります。

あとは生活習慣の乱れ等が原因で自律神経や中枢神経が
調子を見だしてしまうこともあります。

そのため、基本的な生活習慣として、
食事や睡眠等は規則的に取るようにしておきましょう。

直接的に関係なくても、食事も重要です。

栄養のあるものを食べることはもちろん、
誰かと会話をしながら温かいものを食べるというのも、
精神的な安らぎを取り戻すのに有効です。

東洋医療的には、こうした現象を
気のやり取りが起こると表現することがあります。

話をするだけであっても、
それが体の調子につながることがあるのです。

また、リラックスのためにスパやマッサージを利用するのも
1つの方法です。

費用の面で厳しい場合には、
好きな香りの入浴剤やアロマキャンドルを買ってきて、
バスタイムに自分の体をマッサージするのもいいでしょう。

ゆっくり湯船に浸かるのは副交感神経を優位にし、
体をリラックスさせる作用があります。

この時、熱いお湯は避けてぬるいぐらいにしておきましょう。

温度としては38度前後が理想ですが、
体感として人肌より少し温かい程度です。

過呼吸の原因となるストレスを解決できなくても、
こうした対策で症状が出るのを抑えたり、
頻度を下げることは可能です。

試してみてください。