背中の左側の痛みの原因には怖い病気も

背中の左側に痛みが出る場合、
考えられる原因として内臓や筋肉、骨等の以上がありますが、
具体的には心臓、すい臓、胃、十二指腸等があります。

ちょっとしたストレスによる場合もあれば、
もはや手遅れで余命がわずかのケースまであるので、
それぞれについて見ていきましょう。

胃の病気が原因の場合

この場合に有名なものとしては、胃炎と胃潰瘍があります。

あなたがわずらったことがあるかどうかはともかく、
幾度と耳にしたことのある名前ですよね。

それだけ現代人にとって身近な病気と言えます。

簡単に解説しておくと、胃炎の場合は急性と慢性があります。

代表的な原因はストレスのイメージがありますが、
他にもコーヒーや香辛料(唐辛子等)も作用します。

年齢的には50代から60代、
性別では女性より男性に多い傾向にあります。

軽めな時にはマツモトキヨシ等のドラッグストアで
市販薬を買えば済むこともありますが、
症状が悪化した時には病院で診察を受けて
薬を処方してもらった方がいいでしょう。

内科や消化器科、胃腸科が対象になります。

胃潰瘍もまた、背中の左側の痛みの原因になります。

こちらは文字通り胃に潰瘍ができるもので、
みぞおちの側にも痛みが出るのが一般的です。

また、他にも胸やけや食欲の減退、
出血による吐血や下血等も起こります。

心臓の病気が原因の場合

体の中央よりやや左側に位置しているため、
心臓が病気になると背中の左側に痛みが起こります。

来る日も来る日も、約10万回も脈打ち、
一生動き続けてくれる働き者の臓器です。

当然、胃の場合よりも高い位置、つまり胸のあたりに
症状が現れます。

具体的な病気としては、狭心症や心筋梗塞が挙げられます。

狭心症とは、動脈硬化等で冠動脈の血流が不十分になり、
心筋に適量の酸素が供給されなくなることが原因で起こります。

寝ている時やのんびりしている時には起こりづらく、
活発に活動している時や感情が高ぶった時に
発作が起こりやすい傾向にあります。

つまり、急ぎ足で歩くとか、階段を上る時とか、自転車に乗った時、
あるいは怒って頭に血がのぼった時等です。

狭心症の場合、あまり胸や心臓の位置という感覚では
症状を認識しづらい傾向にあります。

鈍痛があると行っても、
いまいち場所がわからなかったりすることが多いのです。

また、痛みは通常、数分以内、短いと1分もたたずに収まります。

狭心症の治療としては、
薬を使う以外にバイパス手術や
カテーテル・インターベンションがあります。

心筋梗塞とは、血栓によって冠動脈が詰まるものです。

狭心症の場合も冠動脈の血流が不十分になりますが、
心筋梗塞では完全に詰まってしまうことになります。

結果として血液が供給されずに壊死が起こり、
場合によっては死亡する場合もあります。

日本人の死因としても多いので、要注意です。

すい臓の病気が原因の場合

背中の左側の痛みがすい臓によるものの場合、
恐ろしい病気が潜んでいる可能性があります。

「癌の王様」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

これはすい臓がんのことを指すのですが、
いまだに死亡率の高い難治性の癌として知られています。

御存知の通り、近年がん治療は進歩し、
各種のがんの生存率は向上しています。

しかし、すい臓がんについては、
いまだに医師や患者さんにとって厄介な病気です。

手強いというより、攻略不能に近いとすら言えるほどに。

というのも、すい臓は周りを肝臓や胃等の
他の臓器で囲まれています。

そのため、レントゲン等で異常が見つけづらく、
がんがあっても早期発見が困難です。

背中の左側に痛みや違和感が生じて異常に気付いた頃には、
すでに末期になっていることが多いのです。

「変調にも気づかずに末期になるなんてありえるの?」

そんな疑問を持つかもしれません。

しかし、すい臓がんについては、
こうした事例が中心となっています。

もちろん、すい臓が背中の痛みを引き起こすのは、
癌の場合ばかりではありません。

たとえば、膵炎の場合もあります。

そのため、必ずしも命が風前の灯ということではなく、
可能性として考えられるというだけです。

この他にも、一時的に筋肉が傷んでいたのを
内臓から来る痛みのように勘違いしている場合等もあります。

この場合には、通常は数日もあれば症状が収まります。