流行性耳下腺炎ことおたふく風邪は、髄膜炎を合併症として
併発することのある病気です。
症状の特徴としては、
発熱や嘔吐、激しい頭痛、痙攣といったことがあります。
どのくらいの頻度で併発するかというと、
大体2%から10%程度とされています。
中には髄膜炎を起こしても症状が無自覚である場合もあり、
髄液を検査したら発覚したというものもあります。
時期としては、
耳下腺の腫れが見られるようになってから4日以内が半数程度を占め、
それ以外にも腫れが起こる前に2割程度となっています。
と言っても、おたふく風邪が髄膜炎を併発しても、
その後の経過は一般に良好です。
多くの場合、特に後遺症が残るようなこともなく、
2週間もあれば回復するという経過をたどります。
髄膜炎というのは、その名の通り髄膜に炎症が起こる病気です。
ウイルスや最近が原因の場合が多く、
中には薬剤が元で発症することもあります。
おたふく風邪もムンプスウイルスが原因ですが、
その合併症として一緒に引き起こすことがあるのです。
これはウイルス性髄膜炎や無菌性髄膜炎と呼ばれています。
この他にも、おたふく風邪の合併症にはいくつかの種類があります。
たとえば、難聴や膵炎、甲状腺炎、心筋炎、視神経炎、多発性関節炎、
血小板減少性紫斑病等です。
このように、1つの病気が発症することによって、
他の問題も引き起こされることがあります。
東洋医療の思想に基づけば、これは当然のことです。
体は地球と同様に1つの有機的なつながりであり、
どこかに問題が起こるのには原因があります。
そして、根本原因が解消されない限り、
今度は他の部分にとどこおりができても不思議ではないと考えるためです。
おたふく風邪の場合、
直接的な原因はムンプスウイルスの感染です。
しかし、見方を変えればウイルスに対抗できない
抵抗力が落ちた状態が問題であるとも言えます。
体がベストな状態を保っているのであれば、
多少のウイルスや最近は寄せ付けないためです。
自然界、と言っても特段田舎の方に言った時の話ではなく、
都市部であっても同じことですが、
私達の周りにはウイルスや菌はウヨウヨしています。
その中で生きていても体調を崩す場合もあれば、
何事もなく健康を保てる時もあるのは免疫力が1つの要因です。
完全な無菌状態で生きているわけではなくても、
人間の体はそうした外因性の問題と共存できるように進化してきました。
しかしながら、
近年の生活環境の変化は急激な体質の変化ももたらしています。
分かりやすいところでは、子供のアレルギーの増加です。
こうした問題を考えると、
西洋医学だけではなく東洋医療の未病の考え方は
子供のうちから取り入れておくべきものと言えます。
おたふく風邪は合併症が起こっても、
それなりに対処できることが一般的です。
もちろん治療が遅れて問題が起きたりする可能性はありますが、
適切に治療をすれば治すことができます。
しかし、そうした病気ばかりではありません。
命にかかわるような病気、あるいは後遺症が残るような症状を
未然に防ぐためにも免疫力の強化は重要な問題となります。