まずは偏頭痛の原因を、西洋医学の観点から見てみましょう。
こちらは完全に解明されているわけではないのですが、
有力な説が2つ提唱されています。
まず1つ目は血管が犯人ではないかという考え方で、
頭部の血管が拡張することによって痛みが引き起こされたとする説です。
神経伝達物質であるセロトニンが
ストレス等に伴って大量に分泌されると、
一時的に血管の収縮作用をもたらすのですが、
その後は反動で通常よりも拡張します。
この時にはれや炎症が起きるのが問題であるというのが、
偏頭痛の原因として主張される1つ目の考え方です。
2つ目は、三叉神経に問題があるという説です。
この三叉神経というのは、
顔面の感覚の理解や筋肉の動きをつかさどっているのですが、
この部分が血管を拡張したり、刺激を与えたりして、
過剰な血管の拡張がもたらされるとします。
この他にも細かい説はいくつかあるのですが、
主に西洋医学の世界で支持されているのが上記の2つの説となります。
逆に言えば、まだまだ偏頭痛は原因が解明されていないということです。
そして、残念なことに治療法も完全には確立されておらず、
様々な対策が試行錯誤の中で行われているのが現実です。
では、東洋医療の観点からも見てみましょう。
この場合、同じ偏頭痛という症状であっても、
様々な原因が考えられます。
たとえば、五臓六腑のうちの肝が弱く、
血が足りていないことが根本にある場合もあれば、
腎に問題がある場合もあります。
最終的に出ている症状が同じでも、
それを引き起こす原因は1つではないのです。
これだけ聞くと、東洋医療は使いづらいと思えるかもしれません。
しかしながら、偏頭痛そのものを治すというアプローチではなく、
根本原因を解決するという考え方をしてみるとどうでしょう?
先ほどの肝の弱さや血の欠乏が起きている場合、
他にも様々な問題が生じ得ます。
肝硬変のように分かりやすく肝臓に問題が出る場合だけではなく、
アトピーや湿疹になりやすくなったり、
視力が落ちたり、アキレス腱が切れやすくなったりします。
このような様々な問題を、
同じ治療行為、あるいは食生活の改善や運動等によって
まとめて改善することができます。
西洋医学なら別個の症状として
それぞれ治療が必要になるところ、
東洋医療なら1つのアプローチで済むのです。
こうして考えると、必ずしも面倒ではないことになります。
ただし、東洋医療に関しては、
日本においてしっかり認められておらず、
ちょっとかじったぐらいの人がアドバイスをしていることもあり、
信用していいのかどうかが分かりづらいという問題があります。
腕の良い東洋医療の治療家だと、
顔色や目、舌の色等を見て臓器の状態を言い当てることができます。
食生活や生活習慣まで見当を付けてしまうので、
驚いてしまう人も少なくありません。
しかしながら、東洋医療の考え方を理解していくと、
それは自然なことであるのが分かります。
少し話がそれましたが、
偏頭痛の原因を西洋医学の観点から見ると、
血管説や三叉神経説を中心に複数の仮説が提唱されています。
決定的な解明がされていない状態です。
東洋医療の視点から見ると、
どこに原因があるのか、
この症状だけでは分かりません。
考えられることはいくつもあるので、
まず問題の本質を解明する事が必要になります。
医食同源という言葉もある通り、
食生活を改善するのは重要ですが、
そもそもどの臓器が弱いのか分からないと対策が立てられません。
たとえば、熱型なのか寒型なのかによって、
推奨される食事の内容は大きく変わります。
万能な健康食のようなものがあるわけではなく、
あくまでも体質に合わせるというのが基本です。
これは、ある意味では当然のことではないでしょうか。
胃腸が弱い人と、心臓が弱い人が
同じ食生活を送るのがベストではないことは、
常識的に考えても理解できます。
テレビや雑誌の健康特集でこのような事実が無視され、
分かりやすく一般的な健康法が推奨されるのは
マス向けに分かりやすく加工しているためです。
本来なら、ご自身の体質や臓器の状態を知り、
必要なものが何かを知ることが重要です。
と言っても、そこまでしている人は少ないのが実際で、
健康診断で血糖値や血圧等、表面的な状態を知っている程度です。
具体的にどこに問題があって数字に問題が出ているのか、
そこまで掘り下げる機会はなかなかありません。
そこが難しいところです。
なお、偏頭痛は日本人の約8%が持っていると言われます。
約12人に1人の割合なので、決して珍しい症状ではありません。
それでいて、まだ治療法が完全に確立されていないため、
社会生活に支障をきたす原因にもなります。
サラリーマンやOLの方であれば、
たびたび会社を休むのは心理的にも厳しいところです。
健康状態というのも、査定に響くでしょう。
仮病で休んでいるわけではなくても、
会社としては頻繁に休む社員は使いづらいというのが
本音のところですので。
完全な治療法が確立されているわけではないにしろ、
偏頭痛への対処法は色々とあります。
こちらは話し始めると長くなるので、
また別の記事で詳しく見ていくことにしましょう。
人によって向き不向きというか、
体質に合うかどうかが別れますので、
自分にフィットする方法を知っておくだけでも
痛みを和らげることにつながっていきます。