津液の不足や停滞による体調不良

口から入ってきた食べ物が脾や胃で吸収され、
津液は生み出されます。

そのため、食べる量が少ないとか、
偏っていて十分な栄養が摂取できないと
十分な量の津液が作れません。

また、脾や胃が弱っていて
十分に機能していない場合も同様です。

ここまでは気や血の場合と変わりません。

また、津液の生成量の問題ではなく、
消費量が多すぎて生じる問題もあります。

たとえば、汗を大量にかくとか、
病気によって尿が増えるような場合です。

下痢が続く場合も同じ問題が起こります。

要は作られる量が足りていない場合と、
通常以上に消費されてしまう場合の2種類の理由で
津液の不足が生じるのです。

では、その結果として何が起こるかと言うと、
皮膚や体組織からうるおいが欠乏します。

のどや口内が乾くとか、
声がかれてうまく出なくなるとか、
髪からつやが失われるとか、
目の周りがくぼんでくるとか、
皮膚から張りが失われるといったことがあります。

他にも、津液は関節のなめらかな動きを助けているため、
量が足りないと動きが悪くなります。

オイルの足りない機械のようなものです。

さらに、便秘やいらだちといった問題も
起きやすくなります。

これに対して、津液には停滞という問題もあります。

循環がうまくいっていない状態で、
五臓のどれかの機能が落ちると
そこで停滞してしまいがちです。

津液が停滞すると湿になり、
粘り気が出てきます。

問題は、この質は体にとってマイナスで、
下痢やむくみの原因になります。

さらに質が凝集すると痰になり、
肺にたまると咳につながります。

本来、人体の中をうまく巡るはずのものが滞ると、
津液のように必要な要素であっても
有害になってしまうことがあるのです。

正しく排出されなかった津液がむくみをもたらすこともあります。

腎は膀胱に尿の排出命令を下しますが、
うまく働かないと体内にためてしまい、
それがむくみになります。