無意識を意識的にコントロールする方法

人間の心臓の脈拍や胃腸の消化機能等は、
特に意識しなくても自動で動いています。

眠っている時でも絶え間なく機能してくれないといけませんし、
心臓なら生まれてから亡くなるまで鼓動を続けることになります。

これらは無意識でも自動で機能していて、
逆に意識的に脈拍を変えようとしても簡単にはコントロールできません。

特殊な訓練を積むことで可能にはなりますが、
一般の人が健康法として行うような内容ではありません。

それに対して、肺による呼吸は事情がまったく違います。

特に意識しなくても呼吸は続けられる反面、
意識的に回数を減らしてセーブしたり、
逆に人と息を合わせたりすることも可能です。

つまり、意識と無意識のどちらからもアクセスが可能であり、
いわば境界線にあるものと表現できます。

そのため、内臓や自律神経等をコントロールする場合、
呼吸を入り口にして考えることが多いのです。

気功やヨガ、ティラピスにおいて、
呼吸法は重要な要素として扱われます。

終始一定ではなく、
吸ったり吐いたりする時間、あるいは勢い等、
様々な制約があるのはそのためです。

緊張することがあれば呼吸が浅くなっていきますが、
逆に呼吸を短くすることで緊張状態を作り出すことも可能です。

肉体と精神は連動しているので、
一方が他方に影響を与えるだけではなく
相互作用を起こしているのです。

ということは、呼吸をコントロールすることによって
気持ちを落ち着けることも可能です。

コンクールや面接、重要なプレゼンなどの緊張する場面で
深呼吸をするのは、このようなわけです。

これ以外にも、普段から呼吸を意識することで
気持ちを前向きにしてストレスを減らしたり、
自律神経を整えることができます。

基本的にはゆっくり息を吸い、ゆっくり吐くのが理想です。

デスクワークに集中していたりすると姿勢が悪くなって肺を圧迫し、
自然に呼吸が浅くなりがちです。

結果として体は緊張状態になって血行が悪くなり、
肩こり等も起こりやすくなります。

そのため、意識的に普段から息をゆっくりするようにしてください。

気持ち的には、4秒から5秒程度をかけて吸い、
同じ時間をかけて吐くイメージです。

ちょっとした深呼吸ぐらいのペースですね。

これを日常的に行うことで無意識にも影響を与え、
他の臓器もリラックスさせることにつながります。

重要なのは、特別なトレーニングをする時だけではなく、
日頃から取り入れることです。

さすがに就寝中は無理ですが、
起きている間はふとした瞬間に意識してみてください。

段々習慣化されていくと、
今までよりも呼吸が深くゆっくりしたものになります。

この他にも、肺を鍛えたり、
腎臓にエネルギーを貯める呼吸法もあります。

それらについては、また別の機会に。

今回は取り入れやすいところだけ
導入として紹介しておきます。