焦らないで!おたふく風邪後の幼稚園・保育園への登園

ひと通りおたふく風邪の症状が治ってくると、
いつから幼稚園や保育園に登園させても大丈夫かという問題が出てきます。

特に共働きの家庭の場合、
長く職場を休むわけにもいかないので
早めに子供を預けたいという気持ちも分かります。

祖父母やご近所さんに面倒を見ていてもらうというのも、
現在ではなかなか難しくなっているのが現実ですし。

ただし、時期尚早な桃園には2つの問題があります。

1つ目は、体力が低下した状態で外に出ることによって、
子供が改めて体調を崩しかねないということです。

幼稚園や保育園は他の子供もいるので
つい走り回ってしまったり、刺激が多い場所です。

安静にしておくように言っても、
なかなか親が思うようにはいかないものです。

また、子供が沢山いるということは、
ウイルス等に感染するリスクも高いということです。

人が集まれば感染症の危険が出てきますし、
免疫力の弱い子供ならなおさらです。

その意味でも、完全に治っていない状態で
無理に登園させるのはリスクを背負うことになります。

2つ目の問題としては、他の園児への配慮です。

おたふく風邪を他の子供に感染させてしまうリスクを考えると、
登園の時期には注意が必要です。

当然、幼稚園や保育園にはまだおたふく風邪にかかっていない、
言い換えれば抗体のできていない子供もいます。

彼らにうつってしまうことによって、
ますます被害が拡大する可能性すら出てくるのです。

そうした観点から考えると、
登園の時期は医師の話も聞きながら慎重に判断した方がいいでしょう。

とは言え、色々と話しを聞いていると、
頭では分かっていても現実がそれを許さないというのも事実です。

これ以上会社を休むことができないとなれば、
結果として子供を登園させるしかなくなってしまいます。

それによって、その子も他の園児たちもリスクにさらされる、
こんな環境が現在の日本には広がっています。

おたふく風邪の治療自体は医療行為に他なりません。

しかしながら、療養環境や感染の予防ということで言えば、
ただ単に一個人の問題だけでは済まない部分のあります。

社会的なシステムの整備の有無によって、
状況が悪化するかどうかが決まるというのは
歴史的に見ても当然の帰結です。

中世ヨーロッパで大流行したペストが
現在では猛威をふるうことがなくなったように、
社会環境の整備によって病気が蔓延するリスクはコントロールできます。

おたふく風邪のような子供を中心とした感染症についても、
このようなことが言えます。

子供の社会というのは、
当然大人の事情によって左右される世界です。

そう考えると、労働人口が減少していくこれからの社会で、
働きながら子育てをしやすい仕組みを作るというのは
政府を中心にした社会の責務でしょう。

それがなされないことによる被害は、
結局子供たちにも行き着くことになります。

これが理不尽なのは言うまでもありません。

病気になった子供がゆっくり休むことができて、
親としても過剰な負担を背負わない仕組み。

そんなものが整備された社会を作ることもまた、
感染や病状の悪化を防ぐ重要な施策となります。