今回はおたふく風邪の症状について解説しましょう。
医療の世界では正式名称として流行性耳下腺炎と呼ばれますが、
ここでは一般的な呼び方でいきます。
分かりやすいほうがいいですからね。
原因はムンプスウイルスの感染なわけですが、
体の兆候としては耳下腺に炎症をもたらします。
それによって、耳からあごにかけて腫れ上がる症状が出ます。
おたふく風邪の場合、この腫れ以外にも38度以上の高熱が出たり、
特に初期の段階でよく見られる首の痛みが起こったり、
頭痛や腹痛を併発したりといったことが挙げられます。
すべての症状が必ず出るわけではなく、
もちろん一部だけということもあります。
もっとも特徴的なのは顔の腫れですが、
大体潜伏期間は10日から22日程度とされています。
流れとしては、
最初はムンプスウイルスに感染して潜伏期間に入り、
その後発症しておたふく風邪の症状が現れます。
この期間が一般的には4日から7日程度です。
その後は回復期に入ります。
子供の病気によくあるように、
一度発症した場合には二度とおたふく風邪になることはありません。
これは体内に抗体ができるため、
ムンプスウイルスに感染しなくなるためです。
ただし、100%というわけではなく、
ごくまれに再感染するケースもあるので念のため付け加えておきます。
東洋医療の観点から見ると、
すでに発症しておたふく風邪の症状が出ている場合には、
おとなしく病院で治療を受けた方がいいでしょう。
むしろ東洋医療を役立てるのは、感染の前の段階です。
体の免疫力・抵抗力が下がった時に感染しやすいので、
そもそもウイルスに対抗できる体作りをしておくことが肝心です。
逆に高熱等の激しい症状が出ている時には、
ゆっくりと処置をしているわけにもいきません。
こうした時には、副作用等があるとはいえ
病院に処方された薬を飲んだ方がいいです。
子供に薬を飲ませたくないという親御さんもいますが、
おたふく風邪を適切に治療しないことも体への負担は大きく、
症状によってお子さんが苦しむだけではなく
体にもマイナスの影響が出てしまう可能性があります。
たしかに薬は飲まないにこしたことがないものですし、
副作用という意味では毒の要素もあります。
ただ、すでに発症してしまった以上、仕方のない部分でもあります。
これからの体調管理を万全にすることを誓いつつ、
薬を飲ませるしかないでしょう。
おたふくの合併症
合併症を引き起こすことが多いのも、
おたふく風邪の特徴の1つです。
では、具体的にどんなものがあるかと言うと、たとえば難聴です。
耳のあたりが腫れることからも何となく予想がつくかと思います。
ただし、人数的には決して多いわけではなく、
難聴の症状が出るのは10,000件に1件以下とされます。
確率論的にはレアですが、
片耳だけが難聴になることが多いため、
気づきづらいのが厄介なところです。
これは突発性難聴と共通している傾向で、
人間の耳は片側だけ聞こえが悪くなっても本人も意識しづらいものです。
もう一方の耳が音を拾える上、
不便そうでも脳がうまく補正してしまうためです。
大人でも自覚しづらいのに、
おたふく風邪はほとんどの場合、患者が子供となるため、
ますます難聴を併発した場合には発見が遅れがちです。
もっとよくある合併症としては髄膜炎があり、
こちらは10人に1人ぐらいの割合です。
激しい頭痛を訴えていたり、
日に3回を超える嘔吐が見られるような場合は要注意です。
1,000人に2人ぐらいが起こす合併症として、脳炎もあります。
こちらは痙攣や意識がなくなるといった症状があります。
この他にも膵炎等があり、
重症化すると合併症によるリスクもあるため、
病院で処方される薬を使ってでも早期に治すべき病気と言えます。
すでに症状が出ている段階において、
体の気を整えたりするのはタイミングとしては遅いので、
東洋医療的なアプローチよりも西洋医学による治療を
優先するべきだと考えるべきでしょう。
多くのお子さんが体験する病気ですので、
焦らず慌てずに対処してください。